山ん中の獅見朋成雄

変換しづれー

山の中の老人と相撲をとって、書を習う高校生。あおりには神話的世界、とか書かれていて、内容の想像ができなかったんですが、読み終えてああそういうことね、と納得。

この人は他の読み物の文と違って、癖があるのも面白い。段落の取り方が長くて、一人称の独特な語りと会話文が一段落の中に入っていて。現代的谷崎潤一郎というか、町田康っぽいというか。あと、効果音。本の帯にある「しぞりりりりんに。しぞりりりりんに」というのはクトゥルー神話の魔術じゃないんです。

講談社ノベルスなんで、殺人もあったりして想像してた内容がうらぎられたのか、待ってました、というか、むず痒い気持ちになっている間に話は二転三転してなんだぁ?うおグロ、あらエロ、さあエンドって一気に読めて面白かった。